Toxic・Romance

 しかし、あなどってはならない。この国は本音と建前の文化だ。

《憧れの作家さんから夢みたいなお返事をいただき、誠に恐縮です。これからもお互いがんばりましょう……!》

 私が返したのは当たり障りのないレスポンス。これで終わりだと思った。

《実は今度、作家同士で親睦を深めるためにオフ会を予定してるんです。よかったら萌生さんもいかがですか?》

 しかし、雨木さんはやりとりは終わらせない。しかも、オフ会!?とても興味がある。あるに決まってる。

《どなたが参加されるんですか?》

 興味本位で返事をすれば、名前の挙がる作家さんは同じプラットフォームで活躍する錚々たるメンバーだ。

《この中にわたしが参加して、浮きませんか……?》

 興味よりも自信喪失の方が大きくて、断る方向に天秤は傾く。

《実は、自分も参加するのが初めてで……一緒に参加してくださると心強いです》

「(かわいい……!!)」

 つゆさんは庇護欲をかられるヒロイン像が得意だけど、きっと、雨木さんご自身がそうなんだ……!

 頂上に君臨する人がこんな私を頼ってくれるなんて。
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