Toxic・Romance
降ろされた先はベッドだった。仰向けの視界に、覆いかぶさるように片桐さんの影が差す。普段は整えられている彼の髪が、少しだけ乱れているのがひどく扇情的で心臓が跳ねた。
「……片桐、さん?」
「無敵なんだろ? だったら、俺が今から何をするかくらい、想像つくよね」
掠れた声が私を煽る。片桐さんは私の両手首を片手でまとめ、頭の上で優しく押さえ込んだ。空いたもう片方の手が、私の頬から首筋へ、そして鎖骨のラインをゆっくりとなぞっていく。
「覚えて。他の男に会うって笑顔で報告されて、それを受け流せるほど、俺は物分かり良くないんだよ」
片桐さんの唇が私の首筋に触れると、深く埋めた。熱い吐息と彼特有の香りが肌に直接染み込んでくる。それはまさに、自分の所有物であることを刻みつけるような、野生的な仕草だった。
「……あ、……まって、馨さん」
「待たない」
視線が重なる。その瞳には暗く深い熱が宿っていた。
丁寧なのに強引。唇が重なるたびに、私の思考は真っ白に塗りつぶされていく。
「ねえゆーゆちゃん。……今、誰のこと考えてる?」
「……か、馨さん……っ、だけ、です」
満足そうに微笑んだ彼は、私の服のボタンを一つずつ、焦らすように外していく。