Toxic・Romance
「遊んでる?……そうかな」
「ええ、先日会った時も相変わらずでしたし、いい加減落ち着けばいいのにと思いません?」
「……そうですね。それより、よくご存知のようですね、馨のこと」
「まあ、昔ちょっとね」
雪見さんは含み笑いを浮かべた。私でもわかる。おそらく、雪見さんは片桐さんの昔の恋人だ。
「(綺麗な人……)」
改めて見ても美人だ。私も肩からジャケットを羽織れば少しでもシュッとして見えるかな?……見えないよねえ……。
比較すると泣きたくなる。
「でも今は恋人と超仲良しみたいですよ。ねえ?」
片桐さんの知人男性は何故か私に意見を求める。
これは、絶対に知っている。知った上で私に揺さぶりを掛けている。
「そうですね、私もそう伺っております」
絶対に性格が悪い……!と彼に対して警戒心を持ちながら、せいいっぱいの返事をする。
「そうなんだ。……でもどうせ長続きしないと思うな」
雪見さんは唇の端を吊り上げ、まるでつまらない冗談を聞かされたかのように短く笑った。その断定的な響きに、周囲の空気がすっと冷える心地がした。私は反射的に息を呑んだ。
「……長続きしないって、どうしてですか」
自分の声が、自分のものではないように低く響いた。