Toxic・Romance
 現実であれば受付拒否。でも、架空の世界に落とし込めば、恋愛のきっかけとして説得力が増す。

 もしも不特定多数の女性と遊ぶ設定ならどうだろう。何かのトラウマがきっかけで、女性に本気になれなくて……?ううん、大事にできない、の方がしっくりくる。大事にしたいけれど、大事に出来ない不器用な性格。

 いい、すごくいい!

 
 「……ふは、ひどー。お前それ、いつか刺されるぞ」
 「刺される前に、飽きるだけだよ」    


 それはなにも、奪われる、とか、攫われる、とは別だ。

 私の感情を強引にひったくる、と言った表現がただしい。

 強制的にあの衝動に駆られてしまう。仕事に戻らなくてはならないのに、脳内は一瞬で妄想モード突入した。オフィスのデスクにもどってもしばらく私は"萌生ゆる"から戻れずに、メモアプリへ物語を落としていた。

 彼らの目的地が喫煙所だと分かった時も何故か納得した。

 タバコ、吸うんだ……。

 清潔感のある容姿だ。煙草の煙さえ嫌うような清廉さも兼ね備えているのに、女性関係は緩くて、愛煙家なんて、もう、もう……!

 たまらない。

 煙草と女が好きな悪役令息に親の言いつけで嫁ぐことになったヒロインなんていいんじゃないの?それとも、クズ美男子の家の女中として働くヒロインもいいなあ……!

 構築されていくストーリー。やっぱり、彼から与えられるインスピレーションは計り知れないことを再確認する。

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