Toxic・Romance
だから、創作意欲を掻き立てられるのだろうか。
彼という惑星に、引き寄せられた私は衛星。
「俺の周りをコソコソ嗅ぎ回って、収穫はあった?」
見目麗しい片桐さんは、プライベートでもやっぱり片桐さんだ。
言い方にちょっと悪意がありますよね。そうですよね?悪意があれば清々しいほど性格が悪いし、なければ人としての配慮に欠けている。
「片桐さんのおかげで作品の反応がかなり良いんですよ!」
片桐さんの反応に負けないようにと、語気を強める。
「俺のおかげなの、それ」
くすり、余裕を含めた笑顔を向けられる。イケメン耐性のない私は絆されそうになるのをグッと堪えた。
「200パーセント片桐さんのおかげですね。私、小心者なので、反応がちょっと、恐れ多いというか……怖い時がありますけど」
「全世界に自分の文章を公開しといて小心者はないでしょうよ」
「それを言われるともう、身も蓋もないというか……」
「好きでやってるなら良いんじゃないの。適宜息抜きは必要だろうし」
「(息抜き……)」
趣味は確かに息抜きだ。認識に相違ない。けれど、それでも、どうしても違和感が拭えないのも事実。
「……私のこと、馬鹿にしないんですか?」
これはウェブ小説の件を知られた時から感じていた。ある意味、誤算、とも言う。
「どうして馬鹿にする必要が」
冷笑を浮かべた片桐さんは、さも当然のように返事をする。