Toxic・Romance


 静かに、暴力的に、日常は上書きされる。だって昨日の達成感なんて既に消化されているのだから。

 私の粗相に対する嫌がらせ?だったら性格悪すぎでしょ……!?

 この煮え切らない思いは文字だけじゃ伝えられない。

 会ったら文句のひとつやふたつ言ってやる……!

 不満を心に閉じ込めて、キーボードを叩いた。





「そういえば、俺彼女できたんだよね」

「(えっ!?)」

 いつもの喫煙所、いつもの顔ぶれ。砕けた雰囲気の中、前後の会話は確か合コンの話だっただろうか。彼らの合コンが気になって仕方ない私とは裏腹に、片桐さんはその期待を瞬時に粉砕した。

 だってあれから正味二日しか経過していないのに、恋人なんてできないよね!?

「どんな感じの子?」

「だるくなさそう」

「ダルいかダルくないかで決めんなよ」

「重要っしょ」

 いや、重要なのはそこじゃないよね……!?

 しかし、片桐さんの同僚らしき人は平然と「何してる子?」と片桐さんに訊ねると「受付。美容医療の」と、これまた食事の是非であるかのような返事をした。なるほどこれが彼らの通常運転なのか。
< 79 / 249 >

この作品をシェア

pagetop