Toxic・Romance

E p i s o d e .01

なくても困らないけれど、あれば毎日がちょっとだけ特別になるもの、みんなもきっとあるでしょ?

写真、映画、料理、漫画、ゲーム、スポーツ、読書、編み物。

誰にも迷惑をかけない、小さな生きがい。気が向いたときだけ触れても許してくれる、自由な世界。それが“趣味”だ。

私、月島(つきしま)夕結(ゆうゆ)にももちろん小さな趣味がある。

「あー、終わっちゃった〜!!」
 
思わずベッドに倒れ込んだ午後8時。一人暮らしの部屋はいつもと同じレイアウト。なのに、どこか明るい。

たった今、私の手でひとつの恋物語を終わらせた。終わらせてやった。もちろん合法的に。

深呼吸を一度。なんとなく落ち着かなくて、スマホを眺めていれば、ピロン、とスマホが鳴いた。

“完結、ありがとうございます!毎日の楽しみでした!“

そんな文字が目に飛び込んできたら、涙腺が刺激されてもうだめだ。

「よかったあ……」

私じゃない誰かに、たった一人でもいい。この結末が受け入れてもらえたというそれだけのことがどれほど大きな救いになるか、物語を書くたびに思い知る。

 
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