Toxic・Romance

 そのまま、片桐さんは私の首筋に顔を寄せ、耳たぶにやんわりと歯を立てた。軽い甘噛みのような。まったく痛くなかったけれど、片桐さんの歯のかたさとか歯列のかたちをじかに感じて、からだの奥がぞくぞくとあわく痺れた。

 そうやって、耳とうなじのあたりを片桐さんの唇になぞられているうち、当たり前のように彼の手が服にかかった。

 戸惑う間も、ない。

「ひゃあ……っ」

 あわてるのも私だけ。耳元で、彼がくすりと楽しそうにするのを聞いた。

 カーディガンを肩から落とされ、擦りあげられたキャミソールの下で、下着の留め具がはずされた感覚があった。片桐さんの大きな手が、私の胸のふくらみをつつみこむ。

 くすぐったくて身をよじった。けれど、片手でがっちりと抱きしめられているから、動くこともできない。

 私ですらしらない私を、片桐さんは片手ひとつであばいてゆく。

「んっ……ん、……」

 からだを触られる度に、張りつめた甘い感覚が下腹部まで届いた。私のしらない感覚だった。それに耐えられなくて、私のからだはしだいに前かがみに崩れた。
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