Toxic・Romance


「……ち、がいます……緊張、して」

「緊張?」

「き、昨日、片桐さんのことを考えてたら……眠れなくて」

 正直に、ぜんぶ話せばあまりの稚拙さにやっぱりはずかしくて、顔に熱がぶわっと込み上げるのを感じ「ごめんなさい〜っ!!」と、もう一度頭を下げた。おそるおそる片桐さんを見上げる。面食らったようにぱちぱちとまばたきした片桐さんは、しだいに「ふは」と、破顔し、表情をやわらかくさせた。

 両手をひろげる。もう、おもいきり。

「あの、続きを、どうぞ!!」

 ドンと来い!と言わんばかりに胸を張ると、片桐さんは表情をすんっとさせた。

「あー……今日はもう無理」

 今日は無理、今日はむり、きょうは……

「……ごめんなさい……」

 また、萎えさせてしまったのだろうか。

 たったひと言をリフレインさせながらがっくりと項垂れていると、片桐さんはしずかに立ち上がった。

「一緒に風呂入る?」

 そしてありえない提案をしてくるので、「え!?む、むりです!」と、からだ全身でNOを告げる。しかし、片桐さんは納得するばかりか、ゆるく微笑んでいる。
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