一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
#1 千景、お前アイドルやれ
15歳の初冬。
日陰者人生に転機が訪れる。
「千景、お前アイドルやれ。」
「は?」
ドラマかアニメの世界でしか聞かない単語にきょとん。
手に持っていた食べかけのドーナツを落としかけた。
酔狂なことを言ったのは、血の繋がった3つ年上の兄。
そして、そんな彼は子役の育成大成功と誉高い、
年齢=芸歴のイケメン俳優・美嶋 日向だ。
「今度うちの事務所で男のアイドルユニット作るんだよ。
俺もそこに入る予定だったんだけど、海外映画決まったからそっちに集中したい。
だから、アイドルはお前がやれ。」
さすが、天下のイケメン俳優様は発想がぶっ飛んでいらっしゃる。
ドーナツをそっと皿に戻して、真面目な顔で兄と膝を突き合わせた。
「お兄様。」
「あ゙?」
「千景は、女です。」
「だからなんだよ。」
「“男性”アイドルユニットに入るのは無理があるかと。」
――そう、私は美嶋日向の“妹”なのだ。