一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
「つべこべ言わずいいからやれ。
お前みたいなヒョロ長のちんちくりん、いくらでも誤魔化せんだろ。」
昨日のドラマで優しく女優さんの頬に添えられていた大きな手が、ガッと雑に私の頬を掴んで潰す。
暴君・兄の命令は絶対。
「ふぁい、おにいひゃま……!」
悲しきかな、小さい頃から叩き込まれた妹の習性。
兄の命令には有無も言わさず“はい”と言え。
テーブルの上に置かれた契約書にサインさせられて、晴れて?事務所付きの芸能人になってしまった。
「ちなみにこの契約、違約金1億円だから。」
「いいいい、1億!?」
途方もない額にひっくり返る。
ドーナツ何個分?一生働いても返せない額では?
「美嶋日向の弟の肩書き背負ってアイドルやるんだから死ぬ気で売れろよ?
俺の名前に泥塗ったらコロス。」
横暴にも程がある!
――なーんて、言えるわけもなく。
「返事。」
「はい!!」
美嶋 千景、15歳。
何だかよくわからないうちに、全力でアイドルをやることになってしまった。