一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―



撮影の後は、息つく暇もなく当たり前のようにレッスン。

“Flying High”をもらってから、1か月以上たった今。
もう何百回って歌って踊ったこの曲は、体に染み込んできて今は無意識でも体が動くようになってきた。


「信じた道を まっすぐ
 逸れないことが 僕の強さ」


小さく膝を曲げてターンに入る準備をする。
チラリと横目に対角線上にいるユウキを見れば、しっかりと目が合う。

動作をシンクロさせるように呼吸を合わせて、ふわりと回る。


機械みたいに正確だったユウキの動きは、仲間に背中を預けると覚悟したあの日以来、少しだけ丸くなった気がする。


何かあったら自分が修正しなければいけない。
そういう思い込みを手放せたからなのかな?


元々しなやかだったダンススタイルがよりのびのびとして、ユウキの感情が見えるようになった。


――なんて思うのは、シンメとして1番近くでユウキの変化を見られる位置にいるからなのだろうか。


吸い寄せられるように軽くぴたりと背中が重なる。
お互いの体温をなんとなく感じあえて、上手くいったと実感できた。



「千景とユウキのターンする始めと終わりキッチリ合わせて。
但し2人とも修正意識しすぎると個性消えがちだから、あくまでタイミング合わせるだけ」

「はいっ」

指摘も“笑顔維持”とか最低限なものじゃなくて、パフォーマンスをより高めるためのものになってきたし!


「まぁ、細かい注文はあるけど息は合ってきてる。
シンメらしくなってきたんじゃない?」

「!」

褒められてすぐ、喜びを共有したくてユウキのことを見る。

ユウキの口角はふっと上がっていたのに、私の視線に気づくとバツが悪そうに眉を顰める。
照れてる頬をそのままに、こくりと一度だけ頷いた。

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