一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―

――頑張った分だけ、積み上がって磨かれていく感覚。



歌い繋ぐ瞬間に、フォーメーションが動いて誰かとすれ違う瞬間に、メンバー達と視線が交わる。


「――flying-Hi」


歌のラスト、天に向かって手を挙げるモーションが5人全員で揃う。


(うわ……、今めちゃくちゃ綺麗に揃った!)


バラバラだったパズルのピースが、ちょっとずつ繋がってその絵柄が見えてくるようなワクワク感。


かけ算みたいにみんなの変化が重なって、膨らんでいく過程が嬉しくて、楽しい。


(他のお仕事もこのくらい楽しくできたらいいのに)


息が上がる疲労感も清々しい。


「今の、過去1よかったんじゃね!?」

センターに立つ南が興奮気味にみんなのことを見渡す。

「俺も思った!噛み合ってたって言うの?
気持ち良かったわぁ」

蓮も珍しく浮ついた様子で食い気味にそう言った。


「まだまだこんなの、最低合格ラインでしょ」

「……まぁまぁかな」

言いながらユウキも昊も満更でもなさそうで。


(みんなも同じこと思ってた!)


flying-Hiっていうグループとしても、ひとつになりつつある実感に胸が湧く。


「ちょっと上振れたからって調子乗んなー。
今の感覚覚えて、それを安定させてけ」

「はーい!」


Ryoさんの返事をしても、わいわいと喜んではしゃぐ私たちに、仁王立ちしたRyoさんが“しゃあねぇな”と呆れ笑いする。

「まぁいいじゃないですか。アイドルの卵達の青春。かわいくって」


その隣で冴さんは、微笑ましそうに私たちの様子を見守っていた。


この時の私は、みんなと一緒に歌って踊れることがただ楽しくて。
“アイドル”って仕事がどんなものか、ちゃんと実感できてなかったような気がする。

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