一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
#16 スタプロオールスターライブ
あれは、確か7歳か8歳の頃だった。
夜にふと目が覚めてしまって、ベッドから抜け出して部屋を出た。
廊下に伸びる灯り。
その先のリビングのドアから漏れ出した光だった。
夜中だと思うとどうしてか、息を潜めてしまう。
ひたひたと静かに廊下を歩く。
リビングの前までくると、お兄ちゃんとお母さんが何か話している声がした。
(お茶、飲みたいだけだから……)
そう言い訳して、静かにリビングのドアを開けかけた時――
お母さんの言葉が耳に飛び込んできた。
『千景がアイドル?無理よ。
あの子には才能がないもの。あなたと違って』
当たり前のことを言っているかのように、温度のない声色。
胸がギュッと痛くなる。
目の前が真っ暗になるって、こういうことを言うんだと思った。
お母さんは、私のことなんて見てないんだと思った。
だって私は、お兄ちゃんみたいに特別じゃないから。
失敗が怖い。
凡庸な私を晒すことが怖い。
その日から、影に隠れるようになった。