一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―

AM 8:30

まだ客席が空っぽのステージの上に、私たちは立っている。

17:30の会場よりずっと早い時間帯。新人の私たちの召集は、トップバッターだ。


何十人もの出演者が横一列に並べるほど広いメインステージ。
ステージ奥面に横幅いっぱいの超大型LEDと、両サイドに巨大モニター。

ドームを横断するほどの長い花道は、円形に作られたバックステージへと繋がっている。

ドームを蹂躙する光線演出は、今をときめくスター達を“主役”に変える装置だ。


「flying-Hiです!よろしくお願いします!」

「よろしくお願いします!」

南の挨拶に続いて、4人の声とお辞儀が揃う。

顔を上げた先に広がる景色は、あまりに大きかった。
誰もいないからこそ、余計に大海原に投げ出されたような気持ちになる。

ステージ袖、下、客席、ドーム中央にはそれぞれの役割を持ったスタッフさんがプロの顔をして待機している。

たった一曲だけの披露なのに、これだけ多くの人が関わっている……その重みに足がすくみそうになった。


「俺、イヤモニなんて初めてつけたわぁ……」

少しの私語も許されなさそうな空気の中、耳元を気にする蓮が苦笑い混じりにぼそりと呟く。


「わかる、自分も」とみんなが心の中で呟いた気がする。
緊張が勝って、誰も口を聞かなかったけど。

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