一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
「転換入ります!」
「あと90秒!」
黒い機材と無数のコードが床を這っている、薄暗く張り詰めた舞台袖に、スタッフ達の鋭い声が飛び交う。
――その動線を邪魔しない片隅に、私たちは立っていた。
お揃いの光沢感のある純白のジャケットに、細身のパンツ。
襟元には、白や金色の羽モチーフの刺繍が散りばめられている。
華やかさを盛るように指、腕、胸元にはシルバーアクセが光っている。
爽やかで無垢な衣装を身に纏う私たちは、少しはアイドルらしく見えるだろうか?
「あ゙――緊張する。
すっごい場違いな気がしてきたわぁ……帰る?」
鳩尾を抑えながら、蓮が固い顔で苦笑いを漏らす。
ついさっきまでへらへらしていたのに、ここに来た途端急に口数が増えた。
「……大丈夫。気のせいじゃないから」
「何が大丈夫なん!?フォローになってないからね?それ」
昊の言葉に「もー」と蓮が肩を落とす。
「蓮、うるさい。黙って」
ユウキが苛立って蓮を睨んだ。
いつも通りに見えるけど、みんな緊張してるのが空気でわかる。
物理的な隔たりが何もないすぐそこに、雷のように轟く歓声。舞台袖に漏れ出す光線。
あと10分もしないうちに、私たちはその真ん中に降り立つことになる。