一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
――side SEIKO.
「制服越し 触れた肩
平気なフリしてるけど」
Aメロ中盤。
軽やかなカッティングギターの上に、昊の低く気怠げな歌声が重なる。
真夏の放課後。
照り返すアスファルト。
制服の袖が触れ合う、帰り道。
歌詞の向こうにある情景が、一瞬で輪郭を持ちはじめる。
息の混ぜ方。
語尾の抜き方。
ほんの僅かな視線の流し方。
昊は感情を爆発させるタイプじゃない。
むしろ誰より冷静で、ファンを煽ることも、自分から恋を仕掛けにいくこともない。
――この曲に、いちばん遠い男。
けれど。
その距離があるからこそ、
歌の構造を正確に理解し、
音と言葉だけで空気を描ける。
感情の薄さを歌の表現力で凌駕する。
それが、金川昊の強さ。
――だからその後を技術の拙い千景が歌うには、強い感情表現が必要。