一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―

⭐︎

前は蓮を尾行してこそこそと降りた古い駅に、今日は堂々と南と降り立つ。

レトロちっくな空間には、南も異物感がすごい。
変装用の帽子をもっと深く被ってって、南のキャップの鍔を引き下げた。

「うお、なにすんだよ」
「ごめん……。でもなんか、すごく目立ってるから」

駅を出てすぐの通りにポツポツと行き交う奥様方が、チラチラとこちらを振り返って見ている。

「やだ、イケメン……」
「でも、どっかで見たような……?」

そんな噂話が聞こえてきた。


なるほど、と南は頷く。

その視線は外に向いて、私たちの方に向く視線の先を追っている。


立ち止まっているのは、男子中学生のグループだろうか?

私を見て、ちょっと興奮気味に肩を叩き合っている。


「目立ってるのは千景もだな!」


大きく笑いながら、南が私の帽子の鍔を引っ張る。
……引っ張られすぎて、目元が隠れて視界が暗くなった。

「わっ……やりすぎだよ、南!」

「ごめんごめん。じゃ、行くかあ」

南が雑に私と肩を組んで歩き出す。

“男の子なんでね、この子”

まるでそう言っているみたいだった。
< 267 / 282 >

この作品をシェア

pagetop