一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
「ちなみに、今回はこれでいくけど今後のポジションはまだ固定しないから。
てことで、時間ないしさっさと歌と振り入れていくよ!」
パンッと鋭く叩いたSEIKOさんの手の音で、強制的にピリついた空気が遮断される。
宇都さんが設置したタブレットの前に集まって、まずは曲の振り動画をみんなで見ることになった。
Flying High
今 羽ばたくんだ
誰でもない
俺たちとして
爽やかで疾走感のあるハイテンポな曲調。
アイドルソングらしい明るいメジャーキー。
細かく刻むドラムのビートがはやる気持ちを駆り立てる、そんな曲だ。
画面の中で、“美嶋”と自分の名前のゼッケンをつけたダンサーが軽やかに踊っている。
私だけのポジション――
そう思ったら、緊張してるのに気持ちが湧き立つ。
全てを吸収しようと勝手に目が開いて、チカチカと閃光が瞬いた。
他のメンバーも同じ様に真剣な眼差しで動画に見入っている。
昊の唇が歌詞を後追いする様に小さく動き、蓮の首も僅かにリズムをとっている。
ユウキはじっと導線をなぞるように宇佐美役を目で追って、南は今にも動き出しそうな満面な笑顔だ。
“Flying High”
四条役が正面に振り向き、他4人が空を見上げて曲が締まる。
(これが、“俺”達のデビュー曲……)
ドクンドクンと胸の鼓動が鳴り止まない。
息をするのさえ忘れるほどの高揚感に襲われた。