俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~
 結衣は思わず浩斗を思いきり睨みつけた。

(つまり……断ったらクビってことね)

 ぎゅっと拳を握りしめる。

(ほんっとに……マッチングアプリなんかに関わると、碌なことがない)

 怒りの炎が、結衣の胸の奥でごうごうと燃え上がる。

(いいわよ……やってやろうじゃないの。私が、このくだらないアプリを──ぶっ壊してやる!!)
「わかりました。その勝負、受けましょう」
「では、交渉成立――」
「ただし!」

 結衣は浩斗の言葉を遮る。

「ひとつ、条件があります」
「……条件?」

 眉をひそめる浩斗をまっすぐ見据えて、結衣は告げた。

「私が勝ったら、Sharelaの事業から撤退してください」

 その言葉に、浩斗は目を見開いた。

「なんだと?」
「勝つ自信がないんですか?」

 挑発するように見上げると、浩斗が纏う空気がグッと下がる。室内に、ピリッとした緊張が走った。

「そんなわけがないだろう。わたった、その条件で勝負だ」
「では、今度こそ交渉成立ですね」

 結衣は口元に笑みを浮かべた。


 
「おかえり、大丈夫だった? ……って顔してないね」

 職場に戻るなり、夏希が心配そうに声をかけてきた。
< 15 / 184 >

この作品をシェア

pagetop