俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~
 はっとして立ち止まると、よりによってそこにはデート中の元カレ・智紀と寝取り後輩の玲奈がいた。
 いつものように可愛い系女子スタイルの玲奈は、明らかに仕事帰りっぽい服装の結衣の姿を見て首をかしげる。

「こんな時間にこんなところで、ひとりでどうしたんですか?」
「えっと……」

 言いたくなくて、口ごもる結衣。

(最悪だわ)

 目を伏せると、玲奈は考えるように口元に指をあてる。

「私達は今デート中なんです。今日で付き合って三カ月記念だから」

 玲奈はそう言うと、結衣に見せつけるように智樹の腕に自分の腕を絡ませた。勝ち誇ったような表情を浮かべた玲奈を、結衣は呆然と見つめる。

「……今日で付き合って三カ月?」

 結衣と智紀が別れてまだ二カ月弱しか経っていない。思わず智紀のほうを見ると、彼は悪びれる様子もなくへらへらとしていた。

(なにそれ。一カ月以上被っていたってこと? 最低)

 拳をぎゅっと握りしめる。怒りが込み上げる一方、とてもみじめな気持ちになった。

(社長の言う通りだわ。私、本当につくづく男を見る目がないんだな)

 涙が込み上げてきたそのとき、「結衣」と自分を呼ぶ声がした。
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