俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~
 振り返ると、そこには先ほどレストラン前で別れたはずの浩斗があった。驚く結衣の腰を、浩斗はぐいっとを自分のほうに引き寄せる。

「俺の恋人に何か用か?」

「は? 恋人?」
 驚いたように目を見開いたのは、玲奈だ。

「ちょっと、どういうことよ」
「言葉の通りだ。俺の恋人に何か用があるのかと聞いている」

 唖然とする結衣とは対照的な凛とした態度で、浩斗は玲奈を見下ろす。

「用がないなら、失礼する。結衣、行こう」

 浩斗は結衣の腰を引いて、颯爽とその場を立ち去る。

「あれって、サイバーメディエーションの榊原社長よね。どういうことよ」

 背後から玲奈の声が聞こえ、痛いほどの視線を感じた。



 アイリッシュパブのカウンターに、浩斗と結衣は並んで座る。
ぐびぐびと黒ビールを飲み干した結衣は、空になったジョッキをダンッと勢いよくカウンターに置いた。

「お兄さん! これおかわり!」
「はい、どうぞ」

 すぐに新しいジョッキが目の前に置かれる。キンキンに冷えた黒ビールが喉を抜けてゆく。

「おい。少し水を飲んだほうがいいんじゃないか?」

 結衣のハイペースな飲みっぷりに、浩斗が水を勧めてくる。
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