俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~
(いや、逃げた口実を作ってるだけかも)

 脳裏に「こんな簡単に騙されるとは、勝負にもならないな」と勝ち誇った笑いを浮かべる浩斗の顔が思い浮かび、結衣はメッセージを削除した。


 ***


「この度はご迷惑とご心配をおかけして申し訳ありませんでした」

 取引先の社長に、浩斗は深々と頭を下げる。

 納品したシステムに大きな障害があることが判明したのは二週間前のこと。開発部一丸となって原因究明を行い、昨日ようやく全てのバグの修正を完了した。
 下手すれば、取引先に多大な損害を与えるところだった。

「いや、迅速に対応していただき助かりました。おかげさまで、実被害は何もありませんでした。これからも臨機応変なサポートをよろしく頼みます」

 謝罪する浩斗に、取引先の社長は穏やかな表情で語り掛けた。
 取引先のビルを出て、浩斗はホッと胸を撫でおろす。帰社すると、その足で開発部へ向かった。

「みんな、よく頑張ってくれた。大きなトラブルにならなかったのは、本当に不幸中の幸いだった。皆の的確な判断と迅速な対応おかげだ」

 労いの言葉を掛けると、その場にいた一同が一様にほっとした表情を見せる。
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