俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~
***
資料作りがひと段落して伸びをする。隣の席の夏希が、こそっと結衣に話しかけてきた。
「システム開発部の件、ようやく落ち着いたみたいだね」
「ああ、なんかトラブったらしいね」
「重要なシステムだったらしくって、社長も連日深夜まで対応に当たって大変だったみたいだよ」
「社長も?」
「うん。大口案件だったらしくて」
夏希は神妙な表情で頷く。先日、急用ができたと言って立ち去った浩斗の姿が脳裏に過った。
(もしかして、あのときって──)
タイミング的に、そのトラブルの一報を受けた可能性が高い。
(勝手に逃げた認定して申し訳なかったな)
なんとなく落ち着かず、結衣は給湯室にお茶を淹れに行く。すると、給湯室には先客がいた。
「あ、課長。よろしければ、課長の分のお茶も一緒に作ってお席にお持ちしましょうか?」
「お、助かるな。ありがとう」
40代中盤の課長はくしゃっと人の好い笑みを浮かべる。
「横溝さんはいつも、気が利くね」
「いえ、そんなことは──」
謙遜しつつも、褒められて悪い気はしない。結衣は照れを隠すようにはにかむ。
「いや、そんなことあるよ。秘書部に欠員が出るから至急で後任が欲しいって人事部から聞いたときにね、すぐに横溝さんを思いついたんだ。真面目だし気が利くから適任だと思ってね」
資料作りがひと段落して伸びをする。隣の席の夏希が、こそっと結衣に話しかけてきた。
「システム開発部の件、ようやく落ち着いたみたいだね」
「ああ、なんかトラブったらしいね」
「重要なシステムだったらしくって、社長も連日深夜まで対応に当たって大変だったみたいだよ」
「社長も?」
「うん。大口案件だったらしくて」
夏希は神妙な表情で頷く。先日、急用ができたと言って立ち去った浩斗の姿が脳裏に過った。
(もしかして、あのときって──)
タイミング的に、そのトラブルの一報を受けた可能性が高い。
(勝手に逃げた認定して申し訳なかったな)
なんとなく落ち着かず、結衣は給湯室にお茶を淹れに行く。すると、給湯室には先客がいた。
「あ、課長。よろしければ、課長の分のお茶も一緒に作ってお席にお持ちしましょうか?」
「お、助かるな。ありがとう」
40代中盤の課長はくしゃっと人の好い笑みを浮かべる。
「横溝さんはいつも、気が利くね」
「いえ、そんなことは──」
謙遜しつつも、褒められて悪い気はしない。結衣は照れを隠すようにはにかむ。
「いや、そんなことあるよ。秘書部に欠員が出るから至急で後任が欲しいって人事部から聞いたときにね、すぐに横溝さんを思いついたんだ。真面目だし気が利くから適任だと思ってね」