俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~

3-2


 夜八時半。残業を終えた結衣は会社から駅までの道を歩く。右手にはスマホを握っていた。

(早めに謝るべきだよね)

 迷いつつも『すみません ちょっと勘違いしていて──』と打ち込み、指を止めた。

 急な呼び出しにもかかわらずレストランに来てくれた浩斗を一方的に責めたことや、浩斗がそれを責めることなく『どうしたのか?』と尋ねて歩み寄りの姿勢を示してくれていたにもかかわらず、届くメッセージ全てに素っ気ない返事をしていたことを思い出し、いたたまれない気持ちになる。

(誤解していたとはいえ 私、結構ひどいことしたよね。やっぱりメッセージじゃなくて、会って直接謝るべきかな)

 シェアラを開いたまま迷っていると、エンちゃんがひょこりと画面に現れる。

『メッセージに迷っているの? わたしが相談に乗るよ』

 明るい調子で尋ねてくるエンちゃんに、なんだか癒される。これは、シェアラの恋愛相談機能のひとつだ。

『誤解して浩斗さんにひどいこと言っちゃった。どうしよう』
『あまり時間を置かずに 真心こめて謝ってみて。きっと仲直りできるよ。頑張れ!』

 エンちゃんはくるくると回り、きらきらのハートを振りまく。

(別に喧嘩しているわけじゃないけど……)

 結衣は苦笑しつつも、メッセージを入力する。

『直接会ってお話したいことがあるんです。いつなら都合いいですか?』
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