俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~
 勘違いしたとはいえ、ひどい態度を取ってしまったことを反省する。

「だからあんなに怒ってたのか」

 浩斗はくくっと笑う。

「部長級以上の人事には全て事前に目を通すが、さすがに全社員分を確認するほどの時間はない。でもまあ、結衣の状況なら勘違いするのもわかるが」
「申し訳ないです。本当にどうお詫びすればいいか──」
「お詫びか」

 少し考えるような仕草を見せた浩斗が、にやっと笑う。

「じゃあ、今からデートしようか」
「は?」
「今週はあのトラブルのせいで、結衣とふたりで過ごす時間を取れてないだろ?」

 思ってもみない提案に、結衣は驚く。

「仕事に戻るんじゃ? それに、なにちゃっかり〝結衣〟って呼び捨てにしているんですか」
「仕事? 酔っぱらっているから無理だな。名前は俺の好きな呼び方で呼ぶ」
「さっき、酔ってないって言いましたよね?」
「うーん、忘れた。行くぞ」
「私、まだ夕食しか食べてないです」
「じゃあ、まずは腹ごしらえだな」

 浩斗は体の向きを変えると、結衣を手招きする。

(もうっ! 勝手なんだから!)

 結衣は浩斗に駆け寄る。
 酔っているせいか、どことなく浩斗の機嫌がよさそうに見えたので、それ以上文句を言うのはやめた。

< 64 / 255 >

この作品をシェア

pagetop