俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~
 なんと、浩斗はゆやすやと気持ちよさそうに眠っていた。映画の大音響の中よく眠れるものだと逆に感心してしまう。

(もしかして、ここ数日徹夜だったのかな?)

 システム二課も深夜まで残業続きだったと聞いた。トラブル対応のトップに立っていた浩斗も、結衣の想像以上に大変だったのかもしれないと思う。

「きれいな顔……」

 社内の女性がよくきゃーきゃー言っているけれど、確かに芸能人顔負けの端正な顔立ちだ。思わず、まじまじと眺めてしまう。

(疲れているならデートなんて誘わずに、家に帰って寝ればいいのに)

 くすっと笑いが漏れる。

「社長、お疲れ様です」

 囁くように慰労する。不思議と、嫌な気分はしない。
 結局、浩斗は映画が終わるまでぐっすり眠っていた。



 
 深夜零時過ぎ、夜の繁華街をふたりは歩く。

「悪い。寝る気はなかったんだ」

 浩斗は文字通り寝落ちしたようで、額に手を当てる。
 結衣に『社長、終わりましたよ』と起こされたときの浩斗の慌てようは、今まで見たことがないものだった。きっと、寝るつもりはなかったのだろう。
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