俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~
 はっきり言って、これ以上付き合うメリットを感じない。 
 冷ややかな眼差しでスマホを見る玲奈は、ふうっと息を吐いた。

 結局、帰宅の途に着いたのは九時頃だった。足早にエレベーターホールに向かうと、遠目にもすらっとして目を惹くスタイルの男性が立っているのが見えた。社長の浩斗だ。

「お疲れ様です。社長」

 さっきまでの不機嫌さを一切感じさせない、とびきりのスマイルを向ける。
 浩斗はちらっと玲奈のほうを見た。

「ああ。ご苦労様」

 軽く挨拶を返され、ふたりはエレベーターに乗り込む。
 浩斗はスマホを取り出すと、画面を見て口元に笑みを浮かべた。

(何かいいことでもあったのかな?)

 玲奈はばれないように、浩斗を窺い見た。元々かっこいいが、笑うとかっこよさが三割増しになる。

(顔よし、爽やか、おまけに社長でお金持ち! どうせだったらこういう男を恋人にしたいわよね)

 そこまで考えて、ふと気付く。

(待って。横溝先輩が社長と飲み友達なら、私も飲み友達になれるんじゃない?)
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