俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~
  ***

 ここ最近、成瀬の機嫌が悪い。
 結衣はデスクに向かって座る成瀬の前に立ち、項垂れていた。

「まだできてないの? こんなこともできないなんて……」
「申し訳ございません」
「申し訳ありませんで済んだら、困らないのよ」

 きつい言葉を返され、結衣は平謝りする。ようやく席に戻ると、隣の席に座る山田が心配して声を掛けてくれた。

「横溝さん、大丈夫?」
「あ、はい。私の仕事が遅くてご迷惑をかけてしまって」
「でも……横溝さんは昨日、丸一日別件を任せられていたから、その案件はやる時間がなかったわよね?」

 山田は僅かに眉を顰める。
 全くもってその通りなのだが「そうですよね」とは言えず、結衣は曖昧にやり過ごす。しかも、その別件を昨日中にやれと指示したのも成瀬だ。

(はあ。早くやろ)

 席に座って仕事をしていると、「横溝さん!」と鋭い声がした。

「何やってるのよ。もう、行くわよ」
「あ、はい!」

 結衣は慌てて立ち上がる。今日は、成瀬と一緒に浩斗の外出に同行することになっているのだ。
 大急ぎで机の上の荷物を纏めると、鞄を持って成瀬のあとを追いかけた。

(なんかここ数日、成瀬さんの当たりがきついような……)
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