俺様辣腕社長の甘い執愛~マッチングアプリなんて信じません!~
 むすっとして結衣は言い返す。

「じゃあ、週末で決まりだな」

 浩人はにっと笑うと、「じゃあ、今日はもう無理しすぎるなよ」と言い残して社長室へと消える。

「私、空いているなんて一言も言ってないんだけど?」

 結衣は社長室の閉じられたドアに向かって文句を言う。

(でも……、一応気遣ってくれたのかな?)

 なんとなく胸がむず痒い。


 ***

 一方その頃。

 会社帰りに友人と女子会して帰宅した玲奈は、マンション前に見慣れた人影があることに気付いた。智紀だ。
 無視してマンションに入ろうとすると、智紀に「おい」と腕を掴まれ呼び止められる。

「お前、メッセージも電話も無視して、一体どういうつもりだよ」

 玲奈は智紀に冷ややかな視線を向ける。

「あのさ、もううちに来ないでくれる?」
「は?」
「別れるわ。帰って」

 智紀は全く想定外だったようで、驚きで目を見開く。

「なんだよ突然!」
「突然? こっちは随分前からうんざりしてたし! もっと空気読んでよね」
「はあ? お前みたいな女こっちから願い下げだ」

 自尊心を傷つけられ、カッとなった智紀は捨て台詞を吐いて立ち去る。

「あー、清々した」
< 97 / 255 >

この作品をシェア

pagetop