追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜
 ファシウスは禍々しい気を纏いながら、開いた瞳孔をエリスへ向けて嬉しそうに笑う。

「最後に君の魂ごと殺してあげるよ。君の魂に楔をつけたままだから君を殺したら俺も魂ごと消える。でもそれで良いんだ。君のいない世界なんて意味がない。もう終わりだ。魂ごと一緒に消えるなんて、とてもロマンチックじゃないか」

 うっとりとしながらファシウスはそう言ってから、真顔になってエリスを見つめる。

「さぁ、選んで、リーリア」

 ドロリとどす黒いものを垂れ流すかのような目でファシウスはエリスを見る。だが、エリスは怯むことなくファシウスを睨みつけた。

「何度でも言いますが、私はリーリアではありません、エリスです!たとえリーリアが前世の私だったとしても、リーリアの記憶が戻ったとしても、それでも今私はエリスです!」

 エリスがそう言った瞬間、エリスの体から光が放たれる。そして、エリスの背後に半透明に輝く一人の女性が瞳を閉じた状態で浮いていた。

 リーリア!とイリオとファシウスが同時に言うが、リーリアは瞳を閉じたままだ。

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