追放令嬢が可愛い犬を拾ったら実は狼の神獣でした〜なぜか気に入られて国を滅ぼしそうな勢いです〜
「ルルー、この屋敷の執事長になるレイヴンだ。仲良くしてやってくれ」
「……カラスですか?でもこの世界に来れたと言うことはイリオ様に認められたということですね。わかりました。不服ですがよろしくお願いします」
「不服って……精霊様は差別するのか?まぁいいや、よろしくな」
「精霊全部が差別するわけではありません。リーリア様は差別とは無縁の方でした。私は好き嫌いが多いので」
「へいへい、そうですか」

 ルルーとレイヴンの掛け合いを見て、エリスとイリオは目を合わせて微笑む。

「息がぴったりみたいだな。よし、これからよろしく頼むぞ」



 イリオが出現させた屋敷で、エリスとイリオは二人の寝室となる部屋のソファに座り、くつろいでいた。エリスは辺りをきょろきょろと見渡す。

(どこをどう見ても普通のお屋敷だし、普通のお部屋だわ。でも、ここは今までいた世界と違う世界なんだよね。神獣の住む、清らかで争いのない、平和な世界……)

 ふと、今までいた世界のことを思い出す。イリオは、自分が世界からいなくなれば国はいずれ滅ぶと言っていた。それはすなわち、あの国に住まう人々全てが滅んでしまうということだ。

(ファシウス様やイリオを殺そうとした国王様が報いを受けるのは当然のことだと思う。けど、他の人たちは別に何も悪いことしてないのに、ファシウス様たちのせいで滅んでしまうの?)

「エリス?」

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