MR(医薬情報担当者)だって恋します!

初めての友人

 大学病院の営業は朝、外来に行くドクターに処方を促す声掛けをするため8時ごろから始まる。
 それが終わると各医局を回り、ドクターから依頼などがあったら持ち帰る。
 支店に戻ったら、それぞれのドクターに渡したい資料作りや説明会の練習などをして過ごし、昼食を今野さんと食べながらチームミーティング。再び13時過ぎには支店を出る。

 17時以降は製薬会社の説明会が各科で入っている。
 他社が説明会をしているときに集まるドクターにコンタクトを取るため、カンファレンスルームの前で待機するのも仕事だ。

「今日、どこ?」

 同じように待っている鈴木を見つけて、私は声をかけた。

「武市製薬さん。さすがだね、強い製薬会社は。ドクター集まってる」
「私は自分の営業はできなかったよ」
「誰目的?」
「塩屋先生」
「説明会来てないね」
「うん」

 説明会の邪魔にならないよう、ボソボソと鈴木と話す。

 20時過ぎるころ他に用事がなければ今野さんは直帰。新人の私は支店の駐車場に車を置きに行かねばならないため、一度支店に戻る。そして、次の日の資料作りなどをしてから帰宅する。
 一方開業医担当のMRは診療が終わるころと始まる前などがねらい目だ。
 新人のほとんどが開業医担当なので、私が支店に帰る頃には同期は帰宅していない。
 私は配属された8名の新人の中になかなかなじめなかった。時間のすれ違いもあるが、私の性格もあるに違いない。

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