MR(医薬情報担当者)だって恋します!
「なんか、鈴木が食べてると美味しそう」
「やめた方がいいよ。また吐くよ? お水。お水飲んで」
鈴木の目はまだどこかトロンとしている。
「鈴木がこんなにお酒弱いなんて思わなかった」
「逆に鈴木は強いな」
「まあね。お酒好きだし」
もぐもぐ。流石にフランスパンを何切れか食べると顎が疲れてきた。
「なんか、スーツから鈴木の匂いがする」
鈴木の言葉に私の頬が熱くなる。色々マズイのでは? と思う。
「ごめん。香水の匂いついちゃった? クリーニングに出してね。彼女さんを不安にさせちゃダメ。何もなかったんだから」
……唇は奪われたけど。
「彼女、ね……」
鈴木は複雑な目でぼんやりと牛乳の入ったグラスを見て言った。
「鈴木?」
「あ〜、彼女とは……」
鈴木はやっぱり焦点の合わない目で、何かを考えている風だった。
「一人で抱えきれないなら、相談しなよ?」
「もう、半分ケリはついてるから」
煮え切らない様子でそう言って鈴木は水を飲んだ。
長居をしてしまった。そろそろ帰ろう。