MR(医薬情報担当者)だって恋します!

***


 でも、沢野先生を避けているばかりではどうにもならない。

 私はついに沢野先生に声をかけられた。

「鈴木さん。ちょっといいかな」

 沢野先生の思いつめた目に、私は断れずに沢野先生の部屋へ入った。

「あの……この間のことなんですが、本当にすみませんでした」

 沢野先生は席につかずに深々と頭を下げた。私は恐縮する。

「あ、いいんです。ちょっとした事故みたいなものですよね。気にしてませんから。忘れてください」

 私のとっさの言葉に沢野先生は真面目な顔で首を横に振った。

「事故? そうじゃない。 鈴木さんが愛おしくてしてしまったんです。なかったことになんかできない」

 まっすぐに目を見てそう言われ、私は自分の頬が熱くなるのを感じた。

「避けられている数日、気が狂いそうでした。嫌われてしまったのだろうかと」

 まるで泣く寸前のような顔で沢野先生は言った。私は胸が痛んだ。

「そんな、大丈夫ですよ?」

 こんなにも打ちひしがれている沢野先生に私は動揺していた。
 沢野先生はじっと私を見つめた。

「責任はとるつもりです」
「え?」

 次の瞬間、私は沢野先生に抱きしめられていた。
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