MR(医薬情報担当者)だって恋します!

鈴木の告白

 ふわふわした感覚のまま営業時間は過ぎて、捗らないから帰ろうと思っているときだった。
 歩いていると腕を掴まれた。
 鈴木だった。鈴木は思い詰めたような目で私を見ていた。

「鈴木、帰るなら駐車場まで一緒に帰ろう」

 こんな鈴木初めて見る。

「どうかしたの? いいけど。今野さんに声かけてくるから、出口で待ってて」
「分かった」


 駐車場タワーまでは、ドクターの駐車場を横切って行く方法と、夜は人気のあまりない狭い道路を歩く方法とがある。夜は怖いので私は使わない。
 鈴木はこの日、なぜか狭い道の方を選んだ。

「……何かあったの? なんでこっちの道……?」

 少し怖くなって私は口を開いた。

「あまり人に聞かれたくない話題だろうと思って。……何かあったのはそっち、だろ?」

 鈴木が沢野先生のことを知っているはずがない。だとすれば何だろう。私は分からず困惑した。

「え? 本当に、何?」
「……沢野先生と何かあったんじゃないの?」

 私の足が止まる。

「な、何で?」
「何かされただろ?」

 私は何を根拠に鈴木がそんなことを言うのか分からず、

「何でそんなこと言うの?」

 と不安になって返した。 

「鈴木の香りがふっとしたよ。あの人」
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