MR(医薬情報担当者)だって恋します!
涙が浮かんだ。
「悩んでるなら俺に言えば良かっただろ! MRだから理解し合えることだってあるだろ!」
「こんなこと言えないよ。それに友達の鈴木に恋愛についてとやかく言われる必要ない!」
私は涙を零しながら叫んだ。すると、さらに鈴木の手に力が入った。
「はっ、友達! 俺、営業の合間の鈴木との話、楽しかったよ。友達だから心を許してくれんのわかってても、嬉しかったよ。でも今は苛立って仕方ない! 俺、男だよ! 男、なんだよ! 男と女で本当に友情なんか成立すると思うの?」
鈴木の大きな声。
「しろは私にこんなことしない!」
「ああ、史郎さんね。彼と俺は違うんだな。俺はもう友達はやってられない! もう耐えられない! 好きな女に何もできないなら、友達なんてやめるよ」
鈴木は私の手を離した。
好きな女? 友達やめる?
「そんな、何言って……」
鈴木は私の涙を震える手で不器用に拭った。
「俺、鈴木が好きなんだ。どうしようもなく好きなんだよ! 沢野先生のこと、言いふらされたくなかったら、俺と付き合って」
「鈴木!」
私は鈴木の言葉が信じられなかった。
「手段なんかもう、どうでもいい。MRと変な仲になったって知れ渡ったら沢野先生、大丈夫かな?」
「や、やめて! そんなことしたら先生は……!」
鈴木に言い返す。
けれど、沢野先生が心配なのに、それ以上に鈴木の表情が気になった。鈴木は今にも泣きそうな顔をしていた。