MR(医薬情報担当者)だって恋します!
その時とき電話が鳴った。
スマートフォンの画面には鈴木の名前が出ていた。
私は躊躇ったが電話に出た。
「もしもし」
『……鈴木だけど』
「うん……」
『……体調崩したのか? 大丈夫?』
「胃と頭が痛くてね」
『俺のせいでも、ある? ごめん。無理矢理キスしたのは悪かったよ。でも、俺の鈴木に対する気持ちは本気だから。身体、お大事に』
「うん……」
鈴木が私のことを心配してくれているのが声で分かった。なんだか涙が出そうになった。
私は鈴木との繋がりを残したい。
それが答えなんだと思った。
胃は痛いけれど、流石に二食抜くとお腹がすいた。
私はおかゆを作って食べる。
昼になってしろに電話をした。
昨日あったことと、私の下した決断を伝える。
『理緒。頑張ったな。やっぱり鈴木さんは理緒が好きだったんだな。しかし、プロポーズかあ。沢野先生って人も思い切ったな』
「二人とも私のどこが良かったのか全然分からない」
『理緒のスレてないところ、可愛いと思うけどな』
私は驚いた。
「しろからそんな言葉聞くの初めて」
『普段言ってたらそれこそおかしいだろ? 鈴木さんと付き合うにしても、上手くいかなかったら別れたらいいさ』
私は別れると言う言葉にズキンとくる。
そうだ。友達と恋人の大きな違い。
「しろは今の彼女ともし別れても、その子と友達になれる?」
『難しい質問だが、俺はなれるかな。鈴木さんはどうか知らないけど』
「そう……」
『理緒。まず、身体を治すことだな。それから、初めてのことは誰だって戸惑う。でも、理緒の気持ちを大切に。自分の選択に自信を持って』
「うん。ありがとう、しろ」
私は電話を切るとタオルケットを頭まで被った。眠りがゆっくりと近づいてきた。