MR(医薬情報担当者)だって恋します!
「……その、鈴木、本当にわかってる? 付き合うってことは友達じゃしないこともするって」
鈴木が意地悪な言い方をした。
「そうだね」
私は鈴木の胸ぐらを掴むと、思いっきり背伸びをして唇を鈴木の唇に押しつけた。
「こういうことでしょう?」
鈴木は傷ついたような目をした。
「俺を軽蔑してるんだろ? 卑怯者って」
「軽蔑なんかしてないよ」
「本当に?」
「本当に。鈴木は私にとって大切な存在には変わりない」
私は鈴木の目をじっと見た。苦悩が浮かんでいた。そんな鈴木の顔を見るとやっぱり心が痛んだ。
それが何よりの答えなんだと私は思う。
「私も覚悟は決めたから。……私は鈴木という友達は失うけど、それよりも鈴木を失う方が辛いと思ったから。だから、私は鈴木と付き合う」
私の言葉に鈴木は複雑な目で私を見た。
「鈴木……」
「これからよろしくね」
私は手をだした。その手を鈴木が躊躇いがちに握り返す。
「何だか商談みたいだな」
鈴木は微かに笑ったがすぐに真顔になった。
「……大切にするから。鈴木が覚悟決めてくれたこと、絶対後悔させないから」
鈴木は言った。
私は鈴木の言葉を信じられると思った。