MR(医薬情報担当者)だって恋します!
「まるで私の知らない人みたいで、怖かったの。そして、鈴木を男だって認識しなきゃいけないのが怖かった」
「でも、俺、男だからさ」
「うん。そうなんだよね」
「鈴木を苦しませていたんだと思うと、悲しいよ」
「まあ、俺も今回鈴木を悩ませたんだから、それはおあいこだよ。次の日、仕事休んだだろ? すごく罪悪感でいっぱいになった。俺のせいでって」
鈴木は握りこぶしを太腿の上で作って苦し気に言った。
「でも、そのとき鈴木が電話してきてくれたの、ちょっと嬉しかったよ。無視されるかもしれないという不安があったから」
「そんなこと思ってたの?」
「だって、友達やめるってそういうことでしょ?」
私が鈴木を見上げて言うと、彼ははあ~と大きく息を吐いた。
「ごめん、そこまで思い詰めさせたんだ」
「そうだよ」
私の声がいじけているように響いた。
「あのさ、ちょっといい?」
「え?」
私の返事を待たずに、鈴木が私の肩に手を回す。壊れ物を扱うように優しく抱きしめられて、私は驚いたけれど、そのまま体重を預けた。