MR(医薬情報担当者)だって恋します!


 部屋に戻って私は自分がスーツのままだったのに気がついた。営業で汗かいたのに、鈴木に抱きしめられたのを思い出し、くんくんとスーツのにおいを嗅ぐ。
 鈴木、鼻がいいからなあ。臭いと思われてなきゃいいけど……。

 シャワーを浴びてからベッドに体育座りをする。
 唇に触れてみた。
 沢野先生のキスの方が気持ち良かったとは思う。頭がぼうっとしてしまうほどに。
 でも、鈴木の今日のキスのほうがどきどきした。自分でも意外だった。
 タオルケットを頭までかぶる。幸せな気分で眠りに落ちた。

 夢の中で私と鈴木は手を繋いで歩いていて、こういうのも悪くないと思っている自分がいた。
 次の日起きたとき、繋いだ鈴木の細くて長い指の感覚が残っていて驚いた。
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