MR(医薬情報担当者)だって恋します!
「鈴木、そんな目で見られると、俺……」
鈴木の唇がまた落ちてきた。
「ん……」
ダメだ。力が抜けちゃう。
十分私の舌を堪能して鈴木は唇を首にずらしてきた。
「あ……っ」
首に何度か口づけられ、私は倒れそうになる。鈴木がその私を支えて、唇を離した。
「ごめん。ここまでにしとかないと歯止めが効かなくなる」
苦しげな鈴木の声。私の口から安堵なのかよく分からないため息がでた。
私はぼんやりしたままぬるくなったハーブティーを飲んだ。
「酸味とスッとする味。面白いね、ハーブティー」
「ぬるくなっちゃったけどね。音楽でも聴く? Queenにする?」
「俺が好きな曲入れまくったCDでしょ?」
「そう。私聞いてるとどの曲もそれぞれ良さがあって好きになってきたよ!」
「そりゃ嬉しいね」
曲をかけると鈴木が口ずさみ出した。なかなか上手い。
「鈴木、声甘いね。フレディよりパンチには欠けるけど、綺麗な声」
私が言うと、鈴木は恥ずかしげに下を向くと頭をかいた。その耳は赤い。自分の一言が鈴木をこんな風に照れさせるなんて、と私は不思議な気持ちになった。でも、悪くないな。
「な、何? あんまり見つめられると困るんだけど」
ついつい鈴木を見てると、顔が赤いままの鈴木が抗議した。
何だろう。母性をくすぐられる。
私、鈴木とかなり時間を共にしてきたと思ってたけど、私の知らない鈴木の面がまだまだこんなにあるんだ。
「ほんとに何なんだよ?」
「鈴木って、意外と可愛いとこあるんだなと思って」
私の言葉に鈴木はますます顔を赤くした。
「ばーか。男は可愛いなんて言われても嬉しくねーんだよ」
拗ねてるのがまた可愛い。小動物みたいだ。
私は鈴木の頭を撫でてみた。
「すーずーきー! 襲うぞ、こら!」
鈴木はお返しとばかりに私の髪をぐしゃぐしゃ撫でた。私は笑いながら逃げようと身をよじった。その私を鈴木は後ろから抱きすくめる。
「あーあ。捕まっちゃった」
鈴木の足に挟まれるように座る形になり、
「変なの。鈴木とこうしてるのって」
と私は笑って言った。
鈴木は私の首筋に顔を埋めて、
「俺はずっとこうしたかったから、なんだか夢見たい」
と言った。その声の切なさに、なんだかきゅんとしてしまう。
「変なの」
私は誤魔化すためにもう一度言った。