MR(医薬情報担当者)だって恋します!

 鈴木は私をやんわり離すと、

「そういうのは違うと思う」

 と断った。

「え?」
「理緒の思考回路わかるよ。また自分が頑張ればどうにかなると思ってるんだろ? でもそういうのでセックスするのは違うよ」
「だって……」
「俺の気持ちは俺のもんだし、寝たからって俺が必ず理緒から離れないって補償はないんだよ? そういう交換条件みたいなセックスは意味がないよ」
「それじゃあどうすれば……」

 鈴木は私とどうすればずっと一緒にいてくれるんだろうか。

「俺を信じて欲しい。俺の理緒に対する今の気持ちを信じて欲しい。大丈夫。何も見返りは求めてないから」

 鈴木は私をあやすように抱きしめた。

「俺、今日、ここ泊まるから」
「え?! ベッド一つしかないけど……」
「うん。大丈夫。ベッドに一緒に入る。でも何もしないから。流石に下着だけは変えたいからコンビニ行ってくんね」

 鈴木が出て行った後、私はおろおろしていた。
 鈴木は約束を守ってくれるから、何もしてこないとは思う。でも同じベッドの上で寝るなんて、なんだか恥ずかしい。
 鈴木はすぐに戻ってきて、スーツをハンガーにかけた。

「シャワー借りるな」

 鈴木は当たり前のようにシャワールームに入ってそして、Tシャツとボクサーパンツの姿で出てきた。
 私はそんな鈴木の姿に落ち着かない。
 コンビニで買ってきたのか、おにぎりを二つと烏龍茶を鈴木は飲んだ。そして、私が先程から座っているベッドに入った。

「ほら、理緒も寝るぞ」

 そう言って、鈴木は私を後ろからぎゅうっと抱きしめる。

「自分で言うのもなんだけど、したいのを我慢して、彼女を抱きしめて眠るなんて彼、なかなかいないと思うけどな?」

 私はそうだねとやっと笑った。
 鈴木の体温が私を安心させる。
 私はいつのまにか眠りに落ちていた。
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