MR(医薬情報担当者)だって恋します!
眼が覚めると、
「おはよう」
と鈴木の声がして、私は何が起こったのかしばらく分からず狼狽えてしまった。
「す、鈴木?」
「あれ、昨日のこと忘れてた?」
私は少し考えて、思い出す。
「そっか。来てくれたんだよね。そして何もせずに一緒に寝てくれた」
「寝顔見れて、俺幸せ」
「や、やだ」
私は頬が熱を持つのを感じた。そんな私に鈴木は唇を這わせてくる。
「んんん」
「おはようのキス」
「こんな深いキスするの?」
「ダメ?」
「……ダメじゃないけど、朝なのに」
鈴木は私を見て柔らかく微笑む。
「可愛い。毎日こうしたいぐらい」
もう一度唇を重ねてくる。
「もう起きないと」
「あ~あ。今日が土曜日ならこのままずっと過ごすのもいいのに」
言いながら鈴木は私を抱きしめる。
「あ~、理緒、柔らかくて気持ちいい」
「鈴木、な、なんか硬くなってる、よ?」
「うん。健康な証拠」
鈴木は言ってまたキスをした。
「ヤバイな。したくなる。けど、我慢」
「ごめんね、鈴木」
「理緒が謝ることじゃない」
鈴木は私の頭をくしゃりと撫でて、上半身を起こした。
「昨日と同じスーツだから、からかわれるかもしれないけど、糸田先生には逆に分かってもらえるかもしれないな」
「一度家に帰らないの?」
「車だけ取りに帰る。時間ないから」
一度起きると鈴木はささっとスーツを着て、
「じゃあ、大学で」
と言って軽いキスをした。
「うん。ありがとうね、鈴木」
鈴木が出て行くと急に寂しくなった。すぐに会えるというのに。
ベッドから出て、顔を洗う。鏡に映った自分を見る。こんなすっぴん顔を見られたんだと思うと恥ずかしい。でも鈴木は可愛いと言ってくれた。
鈴木を信じる。それは私にはまだ難しい。けれど、こんなにも大切にしてくれる鈴木には本当に感謝だ。いつか無条件に信じられるようになるといい。
私はメイクをしてスーツを着ると鈴木と買いに行った靴を履いてドアを開けた。