MR(医薬情報担当者)だって恋します!
私は帰宅後鈴木に電話した。
「沢野先生の恋人役?!」
鈴木が声を荒げる。
「ご両親の前で挨拶するだけなんだけど……」
「ふーん。それで? 理緒はどうしたいの?」
面白くなさげな鈴木の声。
「沢野先生にはお世話になってるし、できれば力になりたいと思うの。でも鈴木はイヤだよね」
鈴木はうーんと唸った。
「……正直、俺はそんなの引き受けて欲しくないよ。でも、理緒がそう言うなら、反対もできない。本当にフリだけだからな? そのまま結婚に話進んだりしないよな? 理緒は俺の彼女なんだから、そこはちゃんと断ってくれよ」
鈴木は変わった。付き合ってから、よりやさしく、余裕を持って接してくれている。自分の気持ちより私の気持ちを優先してくれている。
「当たり前だよ、そんなの。私は鈴木と付き合ってるんだから」
「昼だろうな?」
鈴木の心配が伝わって、なんだかくすぐったい。
「多分」
「土曜日だし、帰り俺のアパートくれば?」
「うん。そうするね」
私は沢野先生に承諾の返事をした。
沢野先生は、
「申し訳ないけれどとてもありがたいよ。よろしくね」
と本当に申し訳なさそうに言った。