MR(医薬情報担当者)だって恋します!
「以前はその……キスを。そして、今日もあんなことをして、鈴木さんには怖い思いをさせてしまいましたね。本当に申し訳ない」
沢野先生は深く頭を下げた。私は困って、
「そ、そんな。先生顔を上げてください」
言う。
「今後は絶対しません。だから、せめて友人という立場を頂けませんか?」
沢野先生の言葉に、私はますます混乱する。
「そ、そんな。私はMRで……」
「MRだから何ですか? 僕はこれからも鈴木さんと音楽の話をしたいし、困っている時には助けになりたい」
私の言葉を遮って沢野先生は言った。
「部屋には呼びません。たまにご飯などだけでも。鈴木君も一緒でもかまいませんよ」
「でも、その、仕事に差し障りは……」
私の言葉に沢野先生はくすくすと笑った。
「大丈夫です。僕は友人であってもエクサシールの処方ばかりをするような医者じゃありません。そこら辺は公平にさせて頂きます」
私はほっとすると同時に残念にも思って、自分はずるい人間だなと思った。
「まず、敬語をやめさせて頂きますね。鈴木さん、昼ごはんだけでもこの後外でどうかな?」
私は迷った挙句、
「……それが友人としてなら、付き合います。でも、自分の分は払いたいのであまり高い店はやめてください」
と答えた。
「ありがとう」