MR(医薬情報担当者)だって恋します!
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明らかに機嫌の悪そうな司が、
「久しぶりに二人で会うって言ってなかった?」
と半眼で私を見て言ってくる。
「鈴木君、そんな嫌そうな顔しないでください。僕はすぐに帰りますから」
「すぐに帰るならなんでいるんですか?」
「ちょっと、沢野先生に対して失礼だよ」
駅前のカフェで司はコーヒーを、私はコーヒーにミルクを入れて、沢野先生はエスプレッソを飲みながら話をしていた。
「鈴木さん悩んでるんですよ」
沢野先生の言葉に、
「なんで沢野先生から? 言いづらいこと?」
と司はさらに面白くなさそうな顔で私に訊いてくる。私は困って一度下を向いた。でもはっきり言わないと。沢野先生も心配してきてくれてるんだから。そう思って顔を上げた。
「うん……。なんか、私、幸せなのに怖いの。司が私のことを大切にしてくれてるのも分かるのに、いずれ司は私から離れていくんじゃないかって不安になるの」
司の表情が曇る。
「……なんで? 俺、理緒のこと心も体も愛し尽くしてるけど、それなのに不安なの? 俺のこと信頼できない?」
沢野先生の前で断言する司に私は驚き、もじもじと俯いた。
「信頼できないわけではないんだけど……」
「俺も不安はあるよ? 理緒が本当は俺のこと一番好きなわけじゃないかもとか。でも、俺は理緒の言葉を信じたい。だから、俺は不安より信じる方を取ってる」
まさに橘先生が言った通りだ。
「だから理緒にも俺を信頼してほしい」
私は司の言葉に、
「そうだよね。信頼しなきゃだよね」
と私は自分に言い聞かせるように呟く。そのとき、沢野先生が口を開いた。