MR(医薬情報担当者)だって恋します!
司は私の頭を抱き寄せた。
「理緒は馬鹿なんかじゃないさ。夏目さんのために頑張ったんだろ? 俺は誇りに思うよ」
司の言葉にうるりとしてしまう。
「ありがとう。司が私を変えてくれたんだね」
「俺が?」
「うん。私、司にいっぱい愛してもらうことで段々自信がついてきたんだと思う。母や兄にけなされることより、司ならきっと私を応援してくれるって思えるの」
司は一瞬驚いた顔をして、次の瞬間嬉しそうに笑った。
「そっか」
私たちはお互い見つめ合って微笑んだ。
「俺が理緒の苦しみを少しでも減らせてるなら嬉しい」
司は言ってまた私を抱きしめた。
「だいぶん減らしてるよ。前はもっと母や兄に言われたことばかり思い出してた。でも今は司の言ってくれた言葉を思い出すようにしてるの。そしたら落ち着くし、強くなれる」
司は私を抱きしめる力を強めた。
「でも、まあ、今回のことは自分も窮地に追い込んじゃったけど」
私の言葉に司は抱きしめる腕を解いた。
「理緒。俺、今の理緒に何ができるか分からないけど、でも、俺のできることならなんでもするから」
司はまっすぐな目で私を見つめて言った。
「うん。司の存在だけでありがたいから大丈夫」
「ほんとか?」
「うん。だから、何があっても司には私のそばにいてほしい」
私はこんなわがまま言っていいのだろうかと少しだけ不安もあったが言った。司はそんな私に優しく目を細めた。
「それなら簡単だ。ずっとそばにいたいのは俺だから」
私はまた泣きそうになった。いつの間にこんなに司を好きになったんだろう。
「ありがとう、司。……大好き」
「そんな可愛い目で言うなよな。抱き潰したくなるだろ」
「いいよ?」
司は私の唇に触れるだけのキスをして、私をぎゅうっと抱きしめた。そして今度は深いキスをした。私は目を閉じ、司の温かい体温を感じ続けた。