MR(医薬情報担当者)だって恋します!
***
「それで」
私は司の部屋で彼の隣に座って、紅茶の入ったカップを両手で持ちながら言った。
「うん?」
司がくつろいだ顔で返事をする。
「私たちいつのまに結婚前提に付き合ってることになってるの?」
あの日以来、私は大学病院で、
「鈴木さんたち、いつ結婚するの~?」
と他社のMRたちにからかわれるようになってしまった。
「だって理緒が言ったじゃん。何があってもそばにいてって」
「それは……そうだけど、結婚してっていう意味じゃ……」
司は私の目を覗き込む。
「そうなの? 結婚したくないの?」
「ずるいよ、司。そんなこと言われたら、結婚したいとしか言えない」
司は嬉しそうに笑って私を抱き寄せた。
私はそんな司の手に自分の手を重ねる。
「ねえ、司。これで本当に良かったのかな」
「うん?」
「谷口先生、大学から追い出しちゃった。私、もしかして大きな失敗をまたしちゃったのかな」
「なんでそう思うの? 谷口先生は大学を辞めなければいけないようなことをしたんだよ。当然さ」
司がポンポンと私の手の甲を優しく叩きながら言った。