MR(医薬情報担当者)だって恋します!

 機嫌が良くなった鈴木を見て私も少し気持ちが和らいだ。そこへ橘先生が通った。

「おう、楽しそうだな」

 私はやましい事はないのに、

「いえ、大したことじゃないんです」

 と思わず否定してしまう。

「いいじゃないか。少しは息抜きしろよ」

 笑って去っていく橘先生。
 どこから聞いてたんだろう。変な誤解されていたら嫌だな。

「……へえ、橘先生、気遣ってくれるなんて、案外優しいんだな」

 鈴木が橘先生の後ろ姿を見ながら言った。

「そうだね」

 私は橘先生の顔も見られたし、違う階に行こうとする。

「土曜、忘れんなよ」

 背後の鈴木の声に私は振り返って黙って頷くと階段を上った。
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